住まいづくりは一世一代の大事業。その渦中にあると、つい目の前のテーマに捉われがちですが、いちばん大切なのは、家が完成してからご家族皆さんが幸せに暮らしつづけていくこと。それは、新居の計画を思い立ったそのときから、工事期間を経て入居に至るまで、常に念頭に置いておかなければなりません。
いつまでも安心して快適に暮らしていける家づくりのためには、住まいの品質の評価や住宅会社の対応、設備・機器など、さまざまな角度から検討したいものです。
「住宅性能表示制度」は、平成12年に施行された住宅品質確保促進法(品確法)に基づいて運用されている制度。国が住宅の性能に関する評価基準を儲け、認定を受けた第三者機関が評価を行なうものです。
実際の評価は、図面・仕様書・構造計算書などで構成される設計図書に基づくものと、施工段階・完成段階の検査を経たものの2種類があり、それぞれ評価書が発行されます。
この制度の利用は建築主の任意で、所定の費用がかかります。ご希望であれば、住宅会社に相談しましょう。
住宅性能評価の評価項目の一例(戸建て)
構造の安定に関すること |
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火災時の安全に関すること |
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劣化の軽減に関すること |
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維持管理への配慮に関すること |
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耐熱環境に関すること |
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空気環境に関すること |
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光・視に関すること |
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高齢者などへの配慮に関すること |
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地球温暖化の原因となる温室効果ガス。なかでも、もっとも温暖指数が高いCO2(二酸化炭素)の排出が問題視されていますが、一般的な住宅で年間約5トン以上ものCO2が排出される*ことをご存知でしょうか。主な排出要因は、冷暖房や給湯、照明など、暮らしに欠かせないものばかり。
地球温暖化の影響が、身近な生活に直接関係するものというイメージは浮かびづらいかも知れませんが、地域社会や次の世代への影響などを考えると、わたしたち一人ひとりが暮らしのなかで取り組むべき問題。これからは、できるだけCO2を出さない住まいを考えていきたいものです。
*環境省「国民運動推進について」(2007年発表)
オール電化のキッチンも人気
夏は涼しく、冬は暖かい住まいづくりは、家庭でもっとも大きなCO2排出源である冷暖房の使用を抑えることにつながります。窓には複層ガラスや断熱性アルミサッシを採用、床や外壁、天井にも断熱材をしっかり使用し、隙間を少なくすることで遮熱性・気密性が高まり、室内の温度変化を軽減できます。
また、いま話題のエコロジータイプの給湯システムは、排気熱を再利用して給水を温め、一般的な給湯器より約5%のCO2削減を実現。*また、太陽光発電システムを採用し、CO2を排出しないクリーンな電力利用を行なう家も増えてきました。その他、オール電化など、光熱費も削減でき、地域や地球にもやさしいさまざまな設備もあります。住宅会社に相談してみましょう。
*東京ガスホームページ「ガス温水器エコジョーズの特長」
お年寄りや体が不自由な方も便利に、快適に利用できる「バリアフリー」は、近年「ユニバーサルデザイン」という概念へさらに進化し、注目を集めています。
これは、できるだけ多くの人が利用できるように、製品・建物・空間をデザインするというもの。住まいづくりにおいても、お子さまからお年寄り、妊婦さん、背の高い人、車いすを使用する人など、年齢や体力、身体的条件にかかわらず、誰もがいつまでも快適に暮らしていけることを考えましょう。
トイレでの動きをサポートする手すり
ユニバーサルデザインの7つの原則
- 誰でも使えて手に入れることができる(公平性)
- 柔軟に使用できる(自由度)
- 使い方が簡単にわかる(単純性)
- 使う人に必要な情報が簡単に伝わる(わかりやすさ)
- 間違えても重大な結果にならない(安全性)
- 少ない力で効率的に、楽に使える(省体力)
- 使うときに適当な広さがある(スペースの確保)