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アキュラ通信

Vol.14 家紋の話

家紋のルーツは牛車の識別マーク?

そもそも家紋はどんな形で生まれたのでしょうか?一説によると、平安時代、公家たちが自分の牛車に印を付けたのがはじまりとか。今でいえば自家用車にお気に入りのステッカーを貼ったり、トラックをイラストやスローガンでデコレーションする感覚でしょうか。当時の有力公家の西園寺実季が「巴」の印を自分の牛車の紋様として定めたという記録が残っているそうです。

陰陽師が活躍していた時代ですから、その印にはおそらく魔除けや祈願の意味もあったでしょう。次第に身の回りの品や服飾品、家具などにも使われるようになったようです。

武士の世の鎌倉時代には、これが敵味方を識別する印として使われるようになり、旗印や幕印として広がります。江戸期になって戦が安定した世の中になると、次第に旗印や幕印としての使い方は重要性を失い、屋敷につける紋章=家紋として残りました。そして、企業がしのぎを削るビジネス社会の現在では、会社の社章、トレードマークなどが当時の家紋の意味を引き継いでいるのです。

家紋の種類は約20000種

家紋の中に表されるモチーフは、動植物や自然現象、文様、文字、用具などおよそ350種にも上るとか。それぞれの家紋はこれらのモチーフを変形し、組み合わせて作られていて、今では約20000種にもなるといわれています。これほどまでに家紋が増えたのは、一般人も苗字を持つことが許されるようになった幕末から明治期にかけてのことで、江戸前期にはまだ1000種ほどしかありませんでした。元禄時代には、役者や遊女たちがファッションとして家紋をつけるようになり、町衆の間にも真似をして好みの紋を身につけるものが増えたそうです。当時、家紋のデザインを専門にする紋上絵師という職業がもてはやされたとか。

家紋のモチーフには、繊細な自然を愛する日本人らしく、花鳥風月をあしらったものが多いですが、中でも飛びぬけた一番人気は花です。西洋の家紋=エンブレムがライオンや龍、鷲、蛇、剣、盾など権力や武力を象徴するモチーフを使うものが多いのとは好対照といえそうです。

家紋を自由に楽しむ

核家族化が進んで、家という概念が希薄になった現代では、家紋の意味も変わってきています。ちょうど元禄時代のように、ファッションの一部として、個人的に楽しむ人も増えてきています。伝統的な家紋のデザインに好きなキャラクターを組み合わせたり、鮮やかな彩色を施してイメージを一新させ、服飾品やプライベートな名刺、趣味の道具などにつけて楽しんでいるのだとか。そうした用途に使うためのデザインデータを、安価に販売してくれるサービスもあります。元々明治になって自分で決めたもののほうが多いのですから、堅苦しく考えず、自由な発想で自分だけの家紋を作ってみてはいかがでしょう。

誕生した子供に、その性質や能力が身に付くようにと動植物や自然現象の名前を付ける風習は、モンゴロイド民族の間によく見られるものです。これに習って求めるイメージを託して、子供用にオリジナルの「紋どころ」を作ってみるのもよさそうです。もしかしたら驚くほどの効果が現れるかもしれませんね。

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