Vol.34 雨水利用の話

家庭のエコロジーを考える時、つい後回しになりがちなのが水の節約です。お勧めは雨水の利用。簡単な設備を整えるだけで上下水道料金の大幅な節約になるだけでなく、万一の災害時の備えとしてもとても役立つものなのです。
雨水の利用は家計と地域にやさしい
屋根の上に降った雨水をタンクに貯め、ガーデニングや洗車などに利用する人が増えています。こうした用途に飲用の水道水を使うのは実はもったいないこと。上水道の使用量が減ると、連動している下水料金も安くなり、ダブルで家計にやさしいエコ効果が生まれるのです。多くの家庭で雨水利用が広まって上水道の使用量が減れば、真夏の水不足の緩和にもつながります。アスファルトに覆われて雨水が地下に浸透しにくい都市では、ゲリラ豪雨などによる都市型洪水が頻発するようになりましたが、多くの家庭で雨水タンクに一度貯水できると、これを緩和する効果も期待できます。雨水の有効活用は家計と地域両方にやさしいのですね。
仕組みは簡単。DIYも可能
雨水利用の仕組みは単純です。基本は、雨どいを通じて集めた雨水をタンクに貯めるだけ。ポイントは2点。まず、降り始めの汚れた雨水を貯める初期雨水カットパイプを雨どいに繋げ、その途中から分岐させたパイプをタンクに繋げること。分岐より下のカットパイプの部分に汚れた初期雨水を貯め、雨の止んだ後に最下部の蓋を開けて外に捨てる仕組みです。もう1点はタンクの中に、一定量を超えた雨水を外に逃がすオーバーフローパイプを立てること。このパイプを浸透桝に繋げておけば、地下水脈を保護することにもなるのです。
タンクに貯めた雨水は最下部に蛇口を付けて取り出すか、お風呂ポンプなどでくみ上げて使います。市販の雨水タンクもさまざまな種類がありますが、中古のウィスキー樽、大型のプラ製ストッカーなどを利用してDIYすることも可能。タンク容量250リットル程度だと、どちらも費用は10万円以下。約2年程度で元が取れる計算だとか。
万一の備えにも雨水を活用
雨水を貯めておくと、万一の災害時にも役に立ちます。阪神淡路大震災の時に多くの被災者が一番困ったのが、上水道の破損で水洗トイレが使えなくなったことだそうです。トイレが自由に使えないと毎日の生活リズムが崩れ、心身ともに大きなストレスを感じる原因になります。雨水タンクの水はそんな緊急時にも安心です。
意外に貯まりやすい雨水
雨水はどの程度のスピードでタンクに貯まるのでしょうか。1時間に10ミリリットルの雨量だとすると、面積1平方メートルに降る量は10リットル。屋根の面積が20平方メートルだとすると、1時間で200リットルもの雨水が集められる計算です。雨水をある程度濾過する、太陽を遮る容器に貯める、しっかり密閉するなどの対策を施し、普通に利用していれば水が臭くなるようなことも、蚊が発生する心配もほとんどありません。自治体の中には補助金を出して雨水タンクの設置を奨励してくれるところもありますから、一戸建てのマイホームを持ったら、一度検討してみても面白いのではないでしょうか。






