相談

「3度建てないと満足できない」のはつくり手側の責任も

一般に、注文住宅は3度建てないと満足できないといわれますが、そんなことはないはずです。住まいのつくり手のプロとして、そうしたお客さまを何人も見てきているはずですから、事前に分かることが多いのではないでしょうか。お客さまのご希望をよくお聞きした上で提案し、再度それに対するお客さまのご意見をお聞きして修正する。

プロとしてのアドバイスを加えて何度も提案し、お客様の納得度を高めながら、1回で満足度の高い住まいを建てるべきです。3度建てないと満足できないというのは、プロとして恥ずかしいことです。

住まいづくりでもPDCAサイクルを活かそう

ビジネスの世界では、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルが大切といわれています。住まいづくりでは一般的に、プロセスごとに打ち合わせを重ねます(図1参照)。間取りから始まり、ラフプランを出しお客様の意見を聞き、修正して再度出す。打ち合わせを重ねてお客様の気に入ったものができたら次のプロセスに進む、という進め方です。住まいづくりのプロセスすべてでは、10回以上の打ち合わせを重ねることになります。この業界にはハウスメーカーや工務店、設計事務所、いろいろなつくり手がいますが、一般的にこうしたプロセスで進めます。

ただ、私はそうしたつくり方はおかしいのではないかと思っています。このような進め方でPDCAを回しても、コストパフォーマンスの高い、いい住まいができるとは思いません。また、打ち合わせにも無駄が多くなると感じます。たとえばこの進め方では、価格見積もりが最後になるため、予算をオーバーすれば最初からやり直しになってしまいます。お客様も、せっかく細部まで気に入ったものを、予算に合わせて削ったり変更することになり、不満や心残りが出てきてしまいます。逆に、無理をして予算を大きく超えた家を建てればローンに苦しめられることになります。

全体最適を考えられる住まいづくりのプロを目指す

ではどうすれば良いのかというと、プラン、外観、構造・性能、仕様といった住まいづくりの主要な部分をすべて仮決めし、概算見積をし、全体をご提案していくことがベストだと考えています(図2参照)。その仮決めしたプランを、現在の家族の住まい方や、10年後、30年後のライフサイクルの変化を考えながら、間取り、性能、仕様の詳細を決めていき、その都度見積もりまでチェックしていきます。そうした全体像のチェックを繰り返すことで、全体にバランスが良く、コストパフォーマンスの高い納得感のある住まいづくりができるのではないでしょうか。

かゆいところに手が届く、気が利いた提案を

つくり手とは、お客様が言葉では表現しにくい要望を具現化できる人です。そうやってお客様の理想の住まいづくりのお手伝いをするわけです。また、単にご要望どおりにつくればいいわけでもありません。要望の根底にある「本当にしたいこと」を見極め、かゆいところに手が届くような気の利いた提案が出きてこそ、本当のプロ、住まいづくりのプロと言えるでしょう。

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