平屋の間取り実例!20坪・30坪台の2LDK・3LDK・4LDK8選とメリット・デメリット

平屋は「家族の気配を感じやすい」「階段がなく暮らしやすい」といった理由から、子育て世帯からシニア世帯まで人気が高い住まいの形です。最近は外観や内装の“おしゃれ”にこだわった成功例も多く、平屋=昔ながらというイメージも、近年では変わりつつあります。一方で、同じ床面積なら広い土地が必要になったり、日当たりやプライバシーに配慮が必要になったりと、平屋間取りならではの計画ポイントもあります。さらに、住まいは建てた後に大きく変えにくいからこそ、老後まで見据えた動線や収納計画が重要です。
この記事では、平屋間取りのメリット・デメリットを整理しながら、20坪台・30坪台・40坪台で検討しやすい2LDK・3LDK・4LDKの間取り実例8選を紹介します。あわせて「後悔しないコツ」や、フルオーダー・セミオーダー・規格住宅といった建て方の違いも解説します。
平屋間取りの4つのメリット
平屋の魅力は、「ワンフロアで暮らしが完結する」ことにあります。生活が同じ階でつながることで、日々の動きがシンプルになり、暮らしやすさを実感しやすい住まいです。主なメリットは次の4つです。
- 家族とのコミュニケーションが取りやすい
- 階段がなく老後も安心して暮らせる
- 構造がシンプルで耐震性を高めやすい
- 冷暖房効率が良く光熱費を抑えられる
以下では、それぞれのメリットが生まれる理由と、間取りでどう実現するかを具体的に解説します。
1. 家族とのコミュニケーションが取りやすい
平屋は生活が同じ階に集約されるため、家族が自然に顔を合わせる回数が増えやすい住まいです。2階建てでは、子どもが自室に上がってしまうと、リビングにいる家族と物理的に距離ができます。一方、平屋なら廊下や階段による“分断”が少なく、声が届きやすい距離感をつくれます。
とくに子育て世帯では、見守りのしやすさがメリットになります。たとえば、キッチンからLDK全体が見渡せるレイアウトにすると、料理をしながら子どもの宿題や遊びを把握しやすくなります。リビングの一角にスタディコーナーや畳スペースを設ければ、同じ空間にいながら「学ぶ」「くつろぐ」「遊ぶ」が共存しやすくなります。
間取りの工夫ポイント
- LDKを家の中心に置き、個室はLDKに近い位置へ(帰宅後に自然に集まりやすい)
- 廊下を短くして、移動距離を減らす(面積を“居場所”に回せる)
- リビング収納を近くに置く(散らかりにくく、片付けの声かけがしやすい)
家族のつながりを大切にする平屋では、リビングの居心地が暮らし全体を左右します。内装や照明、窓の高さなどを丁寧に検討すると、満足度の高い成功例になりやすいでしょう。
2. 階段がなく老後も安心して暮らせる
平屋の最大の特徴は、階段がないことです。階段がないと、日々の上り下りの負担がなくなるだけでなく、将来の身体状況の変化にも対応しやすくなります。小さな子どもがいる家庭では転落事故のリスクを下げられますし、シニア世帯では転倒やつまずきの不安を軽減できます。
また、ワンフロアで動線が単純だと、車椅子を使う場面でも移動しやすくなります。たとえば、廊下幅を確保し、ドアは引き戸を採用するなど、段差を最小化したバリアフリー設計がしやすい点は平屋の特徴ポイントです。老後を見据えるなら、寝室からトイレまでの距離を短くする、夜間の移動に配慮した足元照明を設けるなどの工夫も効果的です。
間取りの工夫ポイント
- 玄関→手洗い→LDKの動線を短くし、外出・帰宅の負担を軽減
- 寝室近くにトイレを配置し、夜間の移動距離を短縮
- 引き戸や回遊動線を取り入れ、将来の介助動線にも対応
平屋は“今”の暮らしだけでなく、“これから”の暮らしに合わせやすい住まいです。家族構成が変わっても使い続けられるよう、柔軟性を持たせることが大切です。
3. 構造がシンプルで耐震性が高い
一般的に平屋は、2階建てに比べて重心が低く、揺れによる影響が小さくなりやすいといわれます。2階建ての場合、上階の重量が加わり、揺れの大きさが増えることがあります。平屋は上階がないため、上下階の荷重バランスに悩む場面が少なく、構造計画を整理しやすい点がメリットです。
ただし、「平屋だから必ず耐震性が高い」と決めつけるのは危険です。たとえば、南面に大きな窓を連続して設ける、LDKをワンルームのように広げすぎて壁が少なくなる、といった計画では、耐力壁の配置が難しくなることがあります。耐震性は、建物の形や壁の配置、開口部の取り方など、総合的に決まります。
間取りの工夫ポイント
- 建物形状は凹凸を減らし、できるだけ“素直”な形に(構造バランスが取りやすい)
- 大開口は必要箇所に絞り、壁量を確保する
- 水回りを近くにまとめ、配管経路を短くする(構造・設備の合理化につながる)
開放感と耐震性の両立は可能ですが、早い段階で構造の視点も取り入れることが重要です。設計者と相談し、間取りと構造をセットで最適化しましょう。
4. 冷暖房効率が良く光熱費を抑えられる
平屋は空間が上下に分かれないため、温度ムラが出にくい傾向があります。2階建てでは「冬は1階が寒く、2階が暖かい」「夏は2階が暑くなる」といった上下階の温度差が起こりがちです。一方、平屋は空気が一つの層で回りやすく、冷暖房を効率よく行いやすい点がメリットです。
光熱費の観点では、空調が効きやすいことで、運転時間や運転台数を抑えられる可能性があります。たとえば、同じ延床面積でも、2階建ては階ごとにエアコンを稼働させるケースが多いのに対し、平屋は主力のエアコン1台+補助1台といった運用で間に合うことがあります(※断熱・気密性能や間取り、日射条件によって変わります)。結果として、家全体の温度が安定し、体感の快適性が上がることも期待できます。
年間光熱費の具体例(目安)※同じ断熱性能・延床約30坪で比較
| 条件 | 2階建て(例) | 平屋(例) |
|---|---|---|
| 運転イメージ | 1階700W+2階500Wを各6時間/日 | 主力800Wを6時間/日+補助400Wを2時間/日 |
| 年間使用量 | 約2,628kWh/年 | 約2,044kWh/年 |
| 差(削減分) | 約584kWh/年 | |
| 電気単価 | 31円/kWh | 31円/kWh |
| 年間の削減額目安 | 約18,000円/年 |
平屋間取りの4つのデメリットと対策
平屋には多くのメリットがありますが、「土地」「プライバシー」「防犯」「採光・通風」でつまずきやすい点もあります。先にデメリットと対策をセットで把握しておくと、計画がスムーズになります。
- 広い土地が必要で費用が高くなりがち
- プライバシーの確保に工夫が必要
- 防犯面で注意が必要
- 日当たりや風通しの確保が難しい
ここからは、各項目を具体的に見ていきます。
1. 広い土地が必要で費用が高くなりがち
平屋は延床面積がそのまま建物の“広がり”になるため、同じ床面積でも2階建てより敷地条件が厳しくなりやすいです。たとえば延床30坪(約99㎡)を考えると、2階建てなら1階15坪+2階15坪のように建物の占有面積を抑えられますが、平屋では1階に30坪分が必要になります。
さらに、平屋は基礎や屋根の面積が増えやすい点も見逃せません。建物外周が長くなると、基礎工事・屋根工事・外壁面積が増え、建築費が上がる要因になります。もちろん、建物形状を整えたり、屋根形状を合理的にしたりすることで抑えられる部分もありますが、計画初期に理解しておくと安心です。
土地選びで押さえるポイント
- 建ぺい率・容積率で「建てられる大きさ」が決まる(平屋は建ぺい率の影響を受けやすい)
- 駐車台数と配置(並列か縦列か)で必要な間口・奥行きが変わる
- 庭の優先順位(子どもの遊び場、家庭菜園、物干し、BBQなど)を明確にする
土地が広く取れない場合は、建物をL字・コの字にしすぎず、できるだけ外周を短くできる形(長方形に近い形)にまとめるとコストを抑えやすくなります。
2. プライバシーの確保に工夫が必要
平屋は窓がすべて1階に集まるため、外部からの視線が入りやすいという課題があります。道路に面してリビングを配置し、掃き出し窓を大きく取ると、通行人の視線が気になってカーテンを閉めっぱなしになることもあります。せっかくの採光が活かせず、満足度が下がる原因になりかねません
また、家族の生活音が伝わりやすい点にも注意が必要です。ワンフロアで距離が近い分、テレビの音や会話、子どもの遊ぶ音などが、寝室に届きやすくなります。在宅ワークがある家庭では、集中できる場所づくりも重要です。
設計上の対策例
- 道路側に玄関・水回り・収納を配置し、リビングを庭側へ向ける(緩衝帯をつくる)
- 中庭(坪庭)を取り入れ、外に開かず内に開く配置にする
- 寝室ゾーンと子どもゾーンを離し、間に収納や廊下を挟んで音を減衰させる
- ワークスペースは引き戸で区切れる位置にし、必要に応じて個室化する
プライバシーは“窓の大きさ”だけでなく、“窓の高さ”でも大きく変わります。目線より高い位置に窓を設ける高窓は、採光を確保しながら視線を避けやすい方法です。外構の植栽やフェンスも含めて、室内だけで解決しようとしないことがポイントです。
3. 防犯面で注意が必要
防犯面では、平屋は1階部分に開口部(窓・勝手口など)が集まるため、侵入経路が増えやすい点がデメリットになります。とくに、人目につきにくい裏側の掃き出し窓や、隣地との距離が近い場所の窓は注意が必要です。
対策の基本は「侵入されにくい」「侵入に時間がかかる」「見つかりやすい」を組み合わせることです。窓の性能だけでなく、外構・照明・視線計画をセットで考えると、現実的な防犯性が高まります。
具体的な対策例
- 窓:防犯合わせガラス、補助錠、面格子、シャッターの採用
- 窓配置:死角になる場所に大きな開口を集中させない/高窓を活用する
- 外構:センサーライト、人感ライト、防犯砂利、見通しのよい植栽計画
- 生活動線:勝手口は必要性を再検討し、採用する場合は施錠計画を徹底
「大きな窓=危ない」と決めつける必要はありませんが、“どこから侵入されやすいか”を想像し、対策を過不足なく盛り込むことが重要です。
4. 日当たりや風通しの確保が難しい
平屋は建物が横に広がるため、家の中央部が外壁から遠くなり、窓を設けにくい点が課題です。外周の窓だけに頼ると、リビングは明るくても廊下や洗面・収納は暗くなりやすく、通風も入口・出口が不足して湿気やにおいがこもりがちです。対策は光と風の入口を複数つくることです。
- 天窓(トップライト):屋根から光を落として中央部を明るくできる。開閉式なら熱や湿気を上へ逃がしやすい。
- 高窓(ハイサイドライト):目線より高い位置から採光でき、視線を避けながら明るさを確保。隣家が近い敷地でも換気の入口・出口にしやすい。

- 中庭(坪庭):内側に開口をつくれるため中央部へ光を届けやすい。窓を向かい合わせて通風経路をつくれ、外部に開きすぎずプライバシーも守りやすい。

風通しは窓の数より“通り道”が重要です。対角線上に窓を設ける、室内ドアを開けたときに風が流れる位置関係にするなど、間取りと建具計画をセットで考えましょう。夏の暑さ対策としては、日射遮蔽(庇・外付けブラインド・植栽)も有効です。
【坪数別】平屋の間取り実例
ここからは、坪数別に平屋の間取り実例を紹介します。平屋は同じ坪数でも、LDKの広さや部屋数、収納の配置によって暮らしやすさが大きく変わるため、「どの坪数帯で何ができるか」の目安を掴むことが大切です。
20坪台:機能をコンパクトにまとめ、廊下を減らして使える面積を増やす工夫が鍵
30坪台:家事動線と収納のバランスを取りやすく、回遊動線なども取り入れやすい
40坪台:二世帯や趣味室など多機能化がしやすく、動線の整理も意識すると快適性が高まる
【20坪台】コンパクトで機能的な間取り実例3選

20坪台は、間取りの“無駄”が暮らしやすさに直結します。廊下を短くし、収納を動線上に置くことで、面積以上に使いやすくなります。なお、20坪前後では一人暮らし向けに1LDKという選択肢も現実的です。今回はタイトルに合わせ、2LDK・3LDKのプラン例を中心に紹介します。
実例1:20坪台・2LDK(夫婦+在宅ワーク)
想定:夫婦2人、在宅ワークあり。将来は1部屋を趣味室や介護対応室に転用。
ポイント:LDK中心+“半個室”のワークスペースで、集中とつながりを両立。
- LDKはキッチンから全体が見える配置にし、食事・くつろぎ・作業の切替がしやすいように計画
- 2つ目の個室は、普段はワークスペース、来客時は引き戸で区切って客間としても使えるようにする
- 洗面は玄関に近い位置に置き、帰宅後すぐ手洗いできる動線にする
実例2:20坪台・3LDK(子ども1~2人想定)
想定:子どもが小さい時期は広いLDK、成長後は個室の独立性を確保。
ポイント:子ども部屋を最小限にし、LDKと収納を優先して“圧迫感”を回避。
- 子ども部屋は必要最小限の面積で計画し、収納は共有のファミリークローゼットに寄せる
- ファミリークローゼットは洗面・脱衣に近づけ、洗濯動線を短縮
- リビング学習がしやすいよう、ダイニング横にスタディカウンターを設置
実例3:20坪台・2LDK+大収納(片付けやすさ重視)
想定:モノが多い家庭、趣味用品がある家庭。
ポイント:収納を“点”ではなく“動線の途中”に配置し、散らかりにくい仕組みをつくる。
- 玄関には土間収納を設け、ベビーカーやアウトドア用品を室内に持ち込まない
- パントリーをキッチン近くに置き、買い置き・防災備蓄の置き場を固定
- リビング収納を分散配置し、日用品の定位置をつくる
【30坪台】子育てファミリー向けの間取り実例3選

30坪台は、3LDK~4LDKで「家事ラク」「収納」「プライバシー」のバランスを取りやすいサイズです。子育て世帯では、朝の支度・帰宅後の片付け・洗濯の流れがスムーズになるよう、動線を具体的にシミュレーションすると失敗が減ります。
実例4:30坪台・3LDK(回遊動線で家事ラク)
想定:共働き+子ども2人。洗濯負担を減らしたい。
ポイント:「洗う→干す→しまう」を一直線、または回遊で完結させる。
- 洗面→脱衣→ランドリールーム→ファミリークローゼットを近接配置
- キッチンから洗面に行きやすい回遊動線にして、料理の合間の家事も回しやすい
- 玄関→土間収納→パントリー→キッチンの動線で、買い物後の片付けを短縮
実例5:30坪台・4LDK(来客対応・在宅対応も両立)
想定:子ども2人+在宅ワーク、親の来訪や宿泊がある。
ポイント:LDKと個室の距離感を調整し、生活感を“見せない”工夫を入れる。
- 玄関近くに1室(多目的室)を配置し、客間・ワークスペースとして活用
- LDKは庭側に向け、道路側の視線を避ける
- 水回りは家の中心付近にまとめ、家全体の移動距離を短くする
実例6:30坪台・3LDK(中庭でプライバシー確保)
想定:道路に面した敷地/周囲に建物が近い敷地。
ポイント:外から閉じて内に開く計画で、明るさと落ち着きを両立。
- 中庭に面してリビングを配置し、カーテンに頼らない採光を確保
- 道路側は高窓中心にし、視線を遮りながら光を取り込む
- 中庭は物干しや子どもの遊び場にも使えるよう、床材・水栓・照明を計画する
【40坪台】ゆとりある多機能な間取り実例2選

40坪台は、二世帯や趣味室、収納強化など、暮らしの幅を広げやすいサイズです。4LDKを基本に、トイレの複数配置や玄関まわりの使い分けなど、“混雑しない家”を意識すると暮らしやすくなります。
実例7:40坪台・4LDK(準二世帯:親世帯同居)
想定:親世帯と同居、生活のリズムが異なる。
ポイント:同居のストレスは「距離」と「音」と「トイレ」で減らせる。
- 玄関は共用でも、親世帯の居室は玄関近くに置き、生活動線を分ける
- トイレを2か所に配置し、朝の混雑や夜間の移動負担を減らす
- 共有LDKの一角に小上がりや書斎コーナーをつくり、居場所を分散する
実例8:40坪台・4LDK(趣味室+大容量収納)
想定:アウトドア、楽器、DIYなど趣味が多い家庭。
ポイント:趣味室は“音・におい・汚れ”の対策まで含めて計画する。
- 趣味室は玄関から近い位置にして、外部から直接出入りしやすくする
- 収納は「室内の大収納+外部収納」の組み合わせで、季節モノや長尺物の置き場を確保
- リビングは吹き抜けがない分、天井高や梁見せ、間接照明などで開放感を演出するとおしゃれにまとまりやすい
後悔しない平屋間取りの4つのコツ
平屋は暮らしやすい反面、建てた後に増築や間取り変更がしにくい住まいです。だからこそ、計画段階で「暮らしの再現」を丁寧に行うことが、後悔しない近道になります。ここでは、重要ポイントを4点紹介します。
- 生活動線・家事動線を意識する
- 将来のライフスタイルの変化を見据える
- 適材適所の収納計画を立てる
- 採光と通風を最大限に活かす窓の配置
1. 生活動線・家事動線を意識する
平屋はワンフロアで移動が短い分、動線設計の良し悪しが暮らしの快適性に直結します。おすすめは、家族の一日を時系列で書き出して、動線を可視化する方法です。朝の支度(トイレ→洗面→着替え→朝食)、帰宅後(玄関→手洗い→着替え→荷物置き)、洗濯(洗う→干す→しまう)といった流れを具体化し、間取り図上で“矢印”を書いてみると、無駄な往復が見つかります。
「回遊動線」は、家事ラクの代表的な考え方です。キッチンと洗面を近づけ、ぐるっと回れるようにすると、料理の合間に洗濯や片付けを挟みやすくなります。ただし、回遊にすることで壁が減り、収納が取りにくくなる場合もあります。回遊動線を採用するなら、収納の配置とセットで検討することが大切です。
- キッチン↔洗面↔ファミクロ↔LDKを一周できる
- 玄関→土間収納→パントリー→キッチンの買い物動線を併設
2. 将来のライフスタイルの変化を見据える
平屋は老後に向く一方で、子どもの成長や家族構成の変化に合わせて、住まいの使い方を柔軟に変えられるかが重要になります。子どもが小さいうちは、個室の数や広さよりも、LDKをゆったり確保して家族が集まりやすい方が暮らしやすいことが多いでしょう。
しかし、思春期以降は生活リズムや学習・趣味の時間が変わり、「一人になれる場所」や集中できる環境の重要性が増します。平屋はワンフロアで距離が近い分、音や視線が気になりやすいこともあるため、成長後の過ごし方まで見据えた配慮が欠かせません。さらに将来、子どもが独立すると、子ども部屋が空室になって使い道に困るケースもあります。
そこで有効なのが、可変性のある間取りです。たとえば、子ども部屋を将来間仕切りできるようにして、年齢に応じて1室を2室に分けられるようにする方法があります。また、独立後は収納や書斎、趣味室に転用できるよう、コンセント位置や照明計画を整えておくと、使い替えがスムーズです。最初から“完璧な間取り”を目指すのではなく、家族の変化に合わせて調整できる余白を残すことが、長く満足できる平屋につながります。
3. 適材適所の収納計画を立てる
収納は、床面積を増やすより「どこに、何をしまうか」を決める方が効果的です。平屋は廊下が短くなりがちな分、収納の置き場を意識しないと、LDKが散らかりやすくなります。おすすめは、収納を“動線の途中”に置くことです。行動の最後に収納があると、片付けが習慣化しやすくなります。
場所ごとの収納例
- 玄関:土間収納(ベビーカー、傘、外遊び道具、スポーツ用品)
- キッチン:パントリー(買い置き、防災備蓄、調理家電)
- 洗面:リネン庫(タオル、洗剤ストック、着替え)
- LDK:リビング収納(書類、薬、日用品、学用品)
- 寝室:ウォークインクローゼット(衣類、季節寝具)
“ファミリークローゼットを作れば解決”という単純な話ではなく、よく使うモノが近くにあることが重要です。収納の成功例は、「出す・戻す」が最短でできる計画になっています。
4. 採光と通風を最大限に活かす窓の配置
平屋は、敷地条件の影響を受けやすい住まいです。同じ間取りでも、隣家との距離や道路の位置が変わると、日当たりも風通しも大きく変わります。だからこそ、窓は「大きさ」より「位置」と「高さ」、そして「方角別の役割」を整理して計画することが重要です。
方角別の窓選びの考え方
- 南:採光・日射取得(庇で夏の日射を遮り、冬は取り込む)
- 東:朝日で室内が気持ちよく目覚める(寝室やダイニングに相性が良い)
- 西:西日が強いので対策が必要(小さめ窓、遮蔽、植栽など)
- 北:安定した光を取り入れやすい(高窓や縦長窓で明るさを確保)
さらに、通風は“入口と出口”のセットが必要です。風上側の窓を少し小さめ、風下側を大きめにするなど、窓の種類(縦すべり、横すべり、引き違い)も含めて検討すると、体感の差が出ます。採光・通風は、外構や隣地状況と切り離せないため、配置計画の段階から検討を始めるのがおすすめです。
平屋の建て方の種類と費用相場
平屋を建てる方法は、大きく「フルオーダー」「セミオーダー」「規格住宅」の3つに分かれます。
- フルオーダー
- セミオーダー
- 規格住宅
費用は「延床面積」だけでなく、建物形状、屋根形状、窓のグレード、設備仕様、外構計画などで変わります。ここでは、選び方の考え方を整理します。
自由度の高い「フルオーダー住宅」
フルオーダーは、敷地条件や暮らし方に合わせて一から設計できるのが最大のメリットです。たとえば、コの字型の中庭プラン、趣味室の防音、家事動線の細かな最適化など、希望を反映しやすくなります。内装・外観のデザインにもこだわりやすく、「理想の成功例を作りたい」という人に向いています。
一方で、検討項目が多く、打ち合わせ回数や検討期間が増える傾向があります。細部まで決める分、仕様によっては費用が上がりやすい点も理解しておきましょう。優先順位(絶対に外せない要望/予算次第で調整する要望)を整理して臨むと、計画がぶれにくくなります。
バランスの良い「セミオーダー住宅」
セミオーダーは、あらかじめ用意されたプランや仕様をベースにしながら、間取りや設備を必要に応じて調整できる方式です。ゼロから設計するフルオーダーに比べて検討範囲が絞られるため、打ち合わせの負担を減らしつつ、自分たちの暮らしに合わせたアレンジがしやすい点が魅力です。
特に平屋は土地条件の影響を受けやすく、ベースプランがあっても、日当たりや隣地の視線を踏まえた「窓位置」、片付けやすさを左右する「収納」、家事効率に直結する「動線」は丁寧に見直したいところです。セミオーダーなら、こだわるべき部分だけを重点的にカスタマイズし、費用とのバランスを取りやすくなります。家づくりの手間は抑えたいが、暮らしやすさの満足度も確保したい人に向く選択肢です。
予算を抑えられる「規格住宅」
規格住宅は、間取りプランや仕様があらかじめ用意されているため、価格が明瞭で資金計画を立てやすい点が特徴です。打ち合わせ項目が比較的少なく、工期が短くなる傾向もあるため、予算を抑えたい方やスケジュールを優先したい方に向いています。一方で、選ぶ際は「暮らしに必要な要素」を満たせるかを必ず確認しましょう。
例えば、部屋数が3LDKで足りるのか4LDKが必要なのか、ファミリークローゼットの有無、ランドリースペースの確保、玄関収納やパントリーの容量、駐車台数と配置など、譲れない条件を先に整理しておくと判断しやすくなります。規格の中から選ぶからこそ、優先順位が明確な家庭ほど、無駄のない選択ができて満足度も高まりやすくなります。
まとめ
平屋はワンフロアで生活が完結するため、家族のコミュニケーションが取りやすく、階段がないことで老後も安心して暮らせる住まいです。構造がシンプルで耐震性を高めやすく、上下の温度ムラが出にくいことで冷暖房効率が良く、光熱費を抑えやすい点も魅力といえます。一方で、同じ床面積でも広い土地が必要になりがちで、外からの視線や防犯、採光・通風の確保など計画段階での工夫が欠かせません。坪数別の実例も参考に、家事動線・将来の可変性・収納・窓計画をセットで検討し、家族の今と将来を見据えて優先順位を整理することが成功の近道です。