内観だけではなく外観にも影響を与える窓。お家づくりにおいて窓選びは非常に重要なポイントです。今回は新築の戸建て住宅で用いられるそれぞれの窓の特徴や、お部屋ごとに最適な窓について見ていきましょう!

 

窓の種類とそれぞれの特徴

■引き違い窓

もっとも一般的な窓です。左右どちらからでも開くことができ、左右にスライドすることで開閉します。多くの住宅で採用されている窓なので、価格が安く種類も多いのが特徴です。こどもでもお年寄りでも簡単に開け閉めすることができる一方で、気密性や防犯性が低くなってしまうというデメリットもあります。

 

■上げ下げ窓

2枚のガラスが上下に取り付けられた窓です。外部から侵入することが難しい構造のため防犯性に優れています。洋風の住宅に採用されることが多い窓で、上下にスライドすることで開閉しますが、引き違い窓と比べると開閉操作がしにくいのがデメリットです。上げ下げ窓には3タイプあります。

・片上げ下げ→片方の窓は固定で、もう片方の窓だけが動くタイプの上げ下げ窓

・両上げ下げ→上下どちらの窓も動くタイプの上げ下げ窓

・バランス上げ下げ→上下どちらかを動かすともう片方の窓も連動して動くタイプの上げ下げ窓

 

■縦滑り窓

開き戸に近い作りで、縦方向を軸にして外側に開く窓です。外の空気を中に取り込みやすい構造となっており、ガラスに風が当たって室内にうまく風が入ってくるため、換気をするのに効率が良い窓です。

 

■横滑り窓

横方向を軸にして外側へ開く窓です。開くと庇のようになるため雨が入りにくく、ある程度視線を遮りながら換気をすることができるため、浴室やトイレに採用されることが多い窓です。

 

■FIX窓

開閉機能がない窓です。別名「はめ殺し窓」とも呼ばれます。採光や眺望のための窓で、開ける必要のない場所に設置します。台形やアーチ形、丸形、三角形などデザイン性に優れたさまざまな形があります。他の窓よりも気密性、防犯性が高いのが特徴です。また、サッシ枠がないので、他の窓よりもガラス面を広く取ることができます。しかし、開閉機能がないため室内から窓の外側を掃除することができないのがデメリットです。

 

■掃き出し窓

床から天井近くまである、人が出入りできる大きさの窓です。主にリビングに設置されることが多く、庭やウッドデッキ、バルコニーなどへの出入り口として取り付けられています。リビング部分に大きな掃き出し窓を取り付けることで開放感がうまれ、部屋がさらに明るく見える効果があります。

 

■出窓

建物の壁より外に張り出した窓のことです。壁から出ている部分に奥行きが出るため、実際よりも広く感じられる効果があります。洋風の住宅に採用されることが多い窓で、出窓部分にはインテリア雑貨で飾り付けをすることもできます。しかし、出窓は空気が滞留しやすく夏は暑く冬は結露しやすくなるという特徴があるため、注意が必要です。

 

お部屋ごとの窓選びのポイント

■リビング/ダイニング

家族みんなが集まるリビングやダイニングには、たっぷりと光を採り入れられる窓が適しています。太陽の方向や障害物の有無などを考慮しながら、窓のサイズや位置を工夫することが大切です。日当たりがあまり良くない敷地条件の場合は、天窓や高窓など採光性の高い窓を取り入れることも検討すると良いでしょう。また、テラスやデッキなどアウトドア空間とのつながりも意識しながら窓を設置すると、より空間が広く感じられるでしょう。

 

■和室/タタミコーナー

引き違い窓だけでなく、細長いタイプや丸いタイプの窓を採用するとモダンな雰囲気に仕上げることができます。また床面に接した地窓を設置すれば、外からの視線を気にすることなくお庭の景色を楽しむことができます。

 

■浴室

 

浴室に窓を設置する場合は、外から中が見えてしまう位置やサイズの窓は避け、空気が循環するような窓を選ぶのが適しています。ただ、浴室の窓は結露やカビが発生しやすく、壁と比べると断熱性能が落ちてしまうというデメリットもあるため、浴室に窓を設置するかどうかは検討が必要です。昔の住宅の浴室には窓があるのが一般的でしたが、現在は浴室に窓がない間取りも増えてきています。

 

■洗面/トイレ

外からの視線を遮りながらプライバシーを確保し、さらに換気もできる窓が適しています。細長い窓や高い位置の窓なら狭いスペースを有効活用できます。トイレや洗面などの狭い空間は窓を設置することで圧迫感を和らげることができますが、一方で防犯性や断熱性が下がるため検討が必要です。

 

■寝室

朝日が直接目に入ってしまうと眩しさで起きてしまうので、窓の取り付け位置には工夫が必要です。また、窓と寝ている位置が近すぎると冬場は冷気を感じてしまう可能性があるため、家具の配置も考慮しながら窓の位置を決める必要があります。

 

■こども部屋

友達と遊んだり勉強をしたりと、日中を過ごすことが多いこども部屋は、光をたくさん採り込んで明るい部屋にできるような窓が適しています。ただしこども部屋はプライベートな空間なので、外からの視線が気にならないような位置に設置することが大切です。また、勉強机やベッドなど家具の置き場所にも配慮しましょう。

 

■階段/廊下

壁が多く閉鎖的な空間になりやすいため、FIX窓などを効果的に設置して光を採り込む工夫をすると良いでしょう。目線よりも高い位置に窓を設置することによって外からの視線を気にすることなく光を効率よく取り入れられます。

 

 

いかがでしたでしょうか。窓の種類やサイズ、取り付け位置を少し工夫すると、見た目もオシャレで、かつ快適な空間を作り上げることができます。是非窓にもこだわってさらに素敵なマイホームを実現しましょう!