空間を美しく見せるには、統一と変化のバランスに加え、色が占める面積の配分を考えることが重要です。インテリアカラーは、空間の半分以上を占めるベースカラー、部屋のイメージの方向性を決めるアソートカラー、強調色となるアクセントカラーの3要素に分けられます。

また、インテリアカラーには黄金比と呼ばれる比率があり、「ベースカラー:アソートカラー:アクセントカラー=7:2.5:0.5」です。この比率を意識しながら配色計画を立てることで素敵な空間づくりにつながります。

 

インテリアカラーの分類

■ベースカラー(基調色)

インテリア配色の中心で、全体のイメージを決める背景色になります。壁や天井、床など部屋の70%という広範囲を占めるカラーです。主張の激しい色を選んでしまうと落ち着きのない空間になってしまうため、できるだけ主張の少ない色を選ぶべきでしょう。ベースカラーとしてはホワイト系の壁や天井、ナチュラルなフローリングが一般的ですが、どんな雰囲気の部屋にしたいか具体的なイメージをもち、それぞれの雰囲気に合わせてインテリア配色の計画を立てましょう。

 

■アソートカラー(配合色)

ベースカラーとアクセントカラーの間をつなぐ色です。ベースカラーの次に面積が大きく部屋の25%を占めるカラーです。ベースカラーと調和、または対比させることで部屋の印象を左右します。アソートカラーは大きめの家具やカーテン、カーペットなどで取り入れることが多いです。

 

■アクセントカラー(強調色)

差し色とも呼ばれる部屋の5%を占めるカラーです。簡単に取り替えることができる小面積のものに使用して変化をつけます。明瞭な色を使うと個性や季節感を出すことができます。例えば、白やベージュなど明るめの色が多いお部屋は全体的にのっぺりしてしまいがちなので、締め色を取り入れることでメリハリをつけることができます。締め色といわれるとブラックを想像する方が多いと思いますが、ダークグレーやネイビーなどもオススメです。ダークグレーやネイビーならブラックよりもやわらかさがありどんな色とも相性が良いでしょう。補色をアクセントカラーとして取り入れるとさらに空間がさらに引き締まります。

 

ゾーン別のインテリア配色について

部屋は、パブリックゾーン、セミパブリックゾーン、プライベートゾーンの3つに分類できます。それぞれのゾーン特性に合わせて利用目的に応じた配色計画を立てましょう。

■パブリックゾーン

家族に加え、来客など多数の人が利用する場所のことです。好みが偏らず、誰にでも好かれる色彩を使用すると良いでしょう。例えば、リビングは長時間過ごすことを前提に、疲れない、共通性の多い配色にするのが適しています。また、和室は畳に合わせて自然素材色でまとめると良いでしょう。

 

■セミパブリックゾーン

パブリックゾーンとプライベートゾーン、どちらの要素も併せ持つ場所のことです。パブリックゾーンよりも多少家族の好みに合わせた色を使うことができます。例えば、ダイニングルームは食べ物が美味しく見え、家族で楽しく食事ができる雰囲気を演出するため、暖色系のカラーを使用するのが適しています。また、バスルームや洗面、トイレなどは温度感の無いベージュ系やオフホワイトで清潔な空間づくりをすることが大切です。明るいカラーは圧迫感を軽減する効果もあります。

 

■プライベートゾーン

特定の人が利用するために仕切られた個室空間のことです。利用者が特定の個人に限定されるため、利用者の好みの配色にできます。例えば、主寝室は刺激的な高彩度色や激しい色の対比は避け、くつろいだ雰囲気を演出すると良いでしょう。落ち着いた空間にするため、色味を抑えて素材感を生かすと効果的です。また、こども部屋はこどもの年齢に合わせた雰囲気づくりをおこないます。遊びが中心になる幼年期は元気ではっきりとしたビビットな色を使うと良いでしょう。勉強の妨げになるようであれば彩度を落とすなどの工夫も必要です。プライベートゾーンは自分好みの色で部屋の雰囲気をまとめることができるので、個性を生かして自由なカラーコーディネートを楽しみましょう。